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「脳腸相関」あなたも経験あり⁉脳と腸の密接な関係 うつ病にも腸が関係?

こんにちは♪管理栄養士の中原です。

脳腸相関(のうちょうそうかん)」という言葉耳にしたことありますか?難しい言葉に聞こえますが、簡単に言うと脳と腸がお互いに影響しあっているという事です。(え…どういうこと?)最近の研究ではこの脳腸相関に腸内細菌が関わっていることが分かってきましたので、身近な例とともにお話したいと思います。

脳腸相関とは?

画像:ヤクルト中央研究所

脳と腸は双方向に情報伝達を行い、お互いに影響を及ぼしあっている関係性にあります。脳と腸の関係は以前より知られていましたが、これに「腸内細菌」が関わっていることが明らかになり「脳ー腸ー腸内細菌相関」という言葉も生まれているんです。

実は、すでに経験しているかも

「ストレスを受けるとおなかが痛くなる」

「不安が続くとトイレに行きたくなる」

「旅行先など環境が変わると便秘になる」

など、多くの方が経験したことがあるこの生理現象は脳が自律神経を介して腸にストレスの情報を伝えるからです。逆に、腸が不調になると脳で不安感が増したり、脳で感じる食欲に実は消化管から放出されるホルモンが関与しているなど、腸の状態が脳に影響を与えることも明らかになっています。これがいわゆる「脳腸相関」とよばれるものです。身近な出来事なので、すでに経験されている方が多くいるのではないでしょうか。

腸内細菌の集合体を「腸内フローラ」と呼ぶ

冒頭でも言いましたが、この「脳腸相関」に腸内細菌が関係していることが最近の研究で分かっています。

腸内細菌とは、私たちヒトの腸内に住む微生物のことで、数は約100兆個、種類は約1000種類にのぼり、良い菌や悪い菌、どちらでもない中間的な菌が共生しています。これらの集合体が、顕微鏡でみるとカラフルなお花畑(フローラ)に見えたことから「腸内フローラ」と呼ぶようになりました。

知ってほしい!腸内フローラとメンタルヘルスの関係性

現在、脳腸相関の研究が進み、腸内フローラとメンタルヘルスの関係が注目されています。

事例① 過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)とは、腸には目立った異常はないのに、脳に受けたストレスが原因で便秘や下痢・腹痛といった症状が続く病気です。患者さんは、大腸の刺激に反応しやすかったり、不安や恐怖などネガティブ情動が出やすい傾向があることが東北福祉大学 福土審先生らの研究で分かっています。患者さんの多くは、腸内フローラが乱れていることから、治療としてプロバイオティクスで腸内フローラを望ましい構成に移行させようという試みが世界中で行われています。

東北大学大学院医学系研究科行動医学分野教授 福土 審(ふくど しん)先生

事例② うつ病

現代のストレス社会では20人に1人がうつ病とも言われています。その患者さんの腸内フローラの変化を帝京大学 功刀浩先生らが研究したところ、健常者に比べ乳酸菌やビフィズス菌などの良い菌が少ないことが明らかになりました。また、統計解析の結果、乳酸菌やビフィズス菌などが少ないと、うつ病リスクが高くなる可能性も示唆されています。うつ病は過剰なストレスによって起こるといわれますが、食事・運動・睡眠の習慣で体の健康が左右されるように長時間労働による睡眠不足が食事バランスの乱れや運動不足にもつながり、うつ病の引き金となるとも考えられています。

帝京大学医学部精神神経科学講座教授 功刀 浩(くぬぎ ひろし)先生

プロバイオティクスって何もの?

英国の微生物学者Fullerによる定義では「腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」としています。

“有益な作用”としては、下痢や便秘を抑える、腸内の良い菌を増やし悪い菌を減らす、腸内環境を改善する、腸内の感染を予防する、免疫力を回復させる、などが挙げられます。つまり、プロバイオティクスを摂ると、おなかの健康を守るとともにからだ本来の力を強める手助けになると考えられています。プロバイオティクスの候補としては、乳酸菌やビフィズス菌が有名です。

ヤクルト中央研究所 健康用語の基礎知識

新聞や雑誌に掲載されています!

新 聞:2020年8月23日(日)《聖教新聞、佼成新聞》

雑 誌:2020年8月17日(月)《週刊現代》/2020年8月18日(火)《女性自身》

腸内細菌の研究は、世界中でますます注目されています。毎日の規則正しい生活の中に、腸内フローラを整えることも加えて、心と体が元気に過ごせるようにしていきたいですね♪